アズマヒキガエルは、山や田畑だけでなく、公園や家の庭先などでも見ることができるヒキガエルの仲間だ。
身近に見られるカエルでは、ウシガエルに次いで大型である。
昆虫やクモ・ミミズなどを食べる肉食性だ。
学名:Bufo japonicus formosus
漢字名:東蟇蛙
別名:ガマガエル
大きさ:45~180mm
見られる場所:山地の森林から海岸付近・農耕地・都市部の公園など
分布:本州(近畿地方以北・山陰地方北部)
レッドリスト:準絶滅危惧(東京都・福島県・新潟県など)・要注意種(神奈川県)など
カエルといえば、ピョンピョンと跳ねて移動するイメージがあるが、アズマヒキガエルはジャンプがあまり得意ではない。大きな体が重たいのだろうか、のそのそと歩いて移動する。
目の後ろにある耳腺からブフォトキシンという毒のある粘液を出す。この毒で、敵から食べられるのを防ぐのだ。
しかし、アズマヒキガエルの天敵であるヤマカガシは、このブフォトキシンを体内に貯めこんで、自らの武器として利用している。毒牙から分泌するのは別の毒で、ブフォトキシンは首から出すのだ。
アズマヒキガエルは滅多に毒液を出すことはないようだが、触った手を洗わずに目をこすったりしてはいけない。必ず手を石鹸で洗おう。
神奈川県のレッドリスト(絶滅のおそれがある生き物のリスト)では、アズマヒキガエルは要注意種とされている。ワタシにとっては子供の頃から馴染みのあるカエルだったので、とても意外であった。
現在、カエルを含む多くの両生類が、レッドリストに登録されている。なぜだろうか?
「両生類」は、もともとは「両棲類」という漢字をあてた。「棲」は「住む」という意味で、「両方に棲む生き物の仲間」ということになる。
では、「両方」とは何と何を指すのだろうか?
答えは「陸上」と「水中」だ。両生類の多くは、子どもの頃は水中で生活し、大人になると陸上にあがって生活する。「陸上と水中の両方に棲む生き物の仲間」だから「両棲類」なのである。
しかし、両生類が生活できる環境が私達人間の手によって、どんどんなくなってしまっている。
川や水路の周りがコンクリートで固められたり、池や湿地が埋め立てられたり、「陸上」と「水中」がつながった環境が少なくなっているのだ。
両生類が生き残れるような豊かな自然環境を、少しでも多く残していくために、私達に何が出来るのか。みんなも一緒に考えてほしい。