ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハは、ひらひらと優雅ゆうがに舞まうアゲハチョウの仲間なかまだ。

ゆっくりと飛とんでいたら敵てきに襲おそわれてしまいそうだが、ジャコウアゲハには襲おそわれないための戦略せんりゃくがある。

ジャコウアゲハの幼虫ようちゅうは、ウマノスズクサという毒どくのある植物しょくぶつの葉はを食たべる。ジャコウアゲハの幼虫ようちゅうは、その毒どくを体内たいないに貯ため込こみながら成長せいちょうし、やがて成虫せいちゅうになる。

毒どくを貯ため込こんでいるジャコウアゲハの成虫せいちゅうを食たべた敵てきは、「これ、食たべたら危あぶないやつじゃん！」と、吐はき出だしてしまう。

そして、二度にどとジャコウアゲハを口くちにすることはなくなるのだ。

これが、自然界しぜんかいで生いき抜ぬくためのジャコウハゲハの戦略せんりゃくなのだ。

おなかの横よこが赤あかいのは、「毒どくがあるよ！」の目印めじるしだ。

ジャコウアゲハの「ジャコウ」とは、ジャコウジカという哺乳類ほにゅうるいの仲間なかまからいただいたものだ。

ジャコウジカのオスは、おなかから独特どくとくの匂においをだす。その匂においは「麝香じゃこう」と呼よばれ、薬くすりや香水こうすいにつかわれてきた。

ジャコウアゲハのオスも麝香じゃこうのような匂においを出だすので、ジャコウアゲハという名前なまえが付つけられたのである。

ジャコウアゲハのオスを捕つかまえたら、どんな匂においなのか嗅かいでみよう。

名前なまえに「ジャコウ」がつく動物どうぶつはほかにもいるので、図鑑ずかんで調しらべてみよう！

イボのような突起とっきがたくさんある、ジャコウアゲハの幼虫ようちゅう。

上うえの写真しゃしんは、ジャコウアゲハの蛹さなぎだ。

チョウの仲間なかまは、卵たまご→幼虫ようちゅう→蛹さなぎ→成虫せいちゅうと成長せいちゅうする。

這はうように歩あるくイモムシから、華麗かれいに空そらを舞まうチョウへと変身へんしんするために、蛹さなぎの中なかで体からだが作つくり替かえられているのだ。

ジャコウアゲハ（さなぎ）のぬりえ