日本のバッタで一番大きいのが、このショウリョウバッタだ。
メスは体長8cmほどもあるので、体の各部分がとても見やすい。観察会では、この大きな体を借りて、人間との体のつくりの違いを比べてもらう。
例えば、眼の数・口の動かし方・耳はどこにあるのかなどなど。
答えはこのページの下の方に載せておくが、答えを見る前にホンモノを捕まえて、よく観察して欲しい。
ショウリョウバッタのオスは「チキチキチキ」と鳴きながら飛ぶので「チキチキバッタ」の別名がある。
学名:Acrida cinerea
漢字名:精霊蝗虫
別名:チキチキバッタ・キチキチバッタ・ショウジョウバッタ
大きさ:オス40~50mm メス75~82mm
成虫の見られる時期:8~11月
見られる場所:草原・林縁・市街地の公園でも
分布:本州・四国・九州・沖縄
緑色に茶色の模様が入った、迷彩色のようなタイプ。このタイプが、草むらでは一番見つけにくい色だと感じる。個人的には一番カッコいいと思う色である。
ショウリョウバッタの褐色型オス。メスと比べるとかなり小さく弱々しく見える。
さて、さきほどの問いの答えだ。
まずは、眼の数。普通に見て「これは眼だな!」と思う2つの丸いのが、小さな眼が集まって出来た複眼だ。複眼は、物の形を認識しているようだ。そして、それぞれの複眼の上をよく見てみるとちょこんとある丸いのが、単眼。さらに、顔の正面・人間でいうと眉間(眉毛と眉毛の間)の辺りにも1つ単眼がある。単眼では光を認識している。ということで、眼の数はあわせて5つとなる。
次に口の動かし方。私達の口は、物を噛むために上下に動く。これは哺乳類だけではなく、鳥や爬虫類などを含めた脊椎動物(背骨のある動物)に共通する特徴だ。
しかし、昆虫の仲間では、口が横に開くのだ。この口のつくりは、昆虫や甲殻類(エビやダンゴムシなど)などの節足動物に共通する動きである。横に動く口でどのように物を食べるのか、じっくりと観察してほしい。
最後に、耳の場所である。人間の耳が頭にあるからか、どうしても頭の周りを探してしまいがちだが、それではいくら探しても見つからないだろう。
なんと、ショウリョウバッタの耳は、後ろ脚の付け根辺りにあるのだ。翅を少しひろげると、まんじゅうのような形の凹みがあるが、それが耳である。
他にも、私達人間とは違ったつくりの器官(口や耳など、体の中で決まった役割をするところ)がたくさんあるので、色々と見比べて見てほしい。
ショウリョウバッタのぬりえ
レヂヲ特製ショウリョウバッタのぬりえです。おうちの人に印刷してもらってね。
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