ヤマアカガエルは、山や丘の森林に暮らすアカガエルの仲間だ。日本だけでしか、見ることができない。
カエルの仲間はほとんどが肉食性である。ヤマアカガエルも、昆虫やミミズなどを食べる肉食性だ。
学名:Rana ornativentris
漢字名:山赤蛙
大きさ:オス42~60mm・メス36~78mm
見られる場所:森林や林縁
分布:本州・四国・九州
ヤマアカガエルの幼生(オタマジャクシ)は落ち葉や水草などを食べる。間もなく手足が生えてくるだろう。
5~6月頃から、尻尾がなくなったわかいカエルの姿が出始める。
さて、多くのいきものは、厳しい生存競争を勝ち抜くために、色々な生き残りのための戦略を練っている。
ヤマアカガエルの戦略は「先手必勝」だ。
ほかのカエルよりも早い1~6月に、産卵を始めるのだ。ワタシの住む神奈川県横浜市では、1~2月のまだまだ寒い頃が多いだろうか。
これには、同じエサを食べるライバルが少ない、ヤマカガシなどの捕食者(天敵)が少ない(まだ冬眠しているので襲われる心配がないのだ)、といった理由があるようだ。
しかし、ワタシのフィールドでは、産卵の為に集まってきたヤマアカガエルの成体(大人)が、外来種であるアライグマに食べられているという調査報告もある。なかなか上手くいかないものだ。
物凄い数のオタマジャクシだ。ヤマアカガエルの卵塊は、500~1,500ほどの卵が1つの塊となっている。この中で、大人の姿になれるのはどれほどだろうか。
あるフィールドで、オスとメスの1匹ずつが1,000個の卵を産んだとしよう。この全てが誰にも食べられることなく大人になってしまうと、翌年のこのフィールドには、1,000匹のヤマアカガエルがいることになる。
その次の年には、500つがい(オスとメスのペアのこと)分で、500,000個の卵が大人になり、さらに次の年には、250,000,000個の卵が大人になり…となって、このフィールドはヤマアカガエルで溢れてしまうだろう。
そうならないのは、卵・オタマジャクシ・若いカエル・大人のカエルと全ての成長段階で、ほかのいきもの達の食料となって数が減り、翌年もほぼ同じ数のカエルが卵を産むからである。
ヤマアカガエルが1匹で約1,000個もの卵を産むのは、ほかのいきものに食べられることを見越した「数で勝負」するという二つ目の戦略なのだ。
ヤマアカガエルは「先手必勝」「数で勝負」という2つの戦略が成功して、やっと子孫を残していくことができる。
自然界で生き残っていくことは、とても大変なことなのだ。
ヤマアカガエルのぬりえ

レヂヲ特製ヤマアカガエルのぬりえです。おうちの人に印刷してもらってね。
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